夏に友人と海に行ったときのことです。
そのころ私は脇毛を毛抜きで抜いて処理していました。脇毛は少しだけ伸びてくると抜きづらいし、全部処理するのは大変です。つい、まだ大丈夫とたかをくくっていました。
新しい水着を買って、わくわくしていて脇毛のことなんかすっかり忘れていました。最初はTシャツを着て泳いでいたのですが、新しい水着のお披露目だと友人と盛り上がってTシャツを脱いで砂浜で盛り上がっていました。
すると、ナンパされて、またまた盛り上がって、ひと夏の恋とまではいかなかったけれど、楽しい海の思い出になりました。
しかし、それで終わりませんでした。その夜、泊まった民宿で友人と飲んでいたら、酔っぱらった友人が言いました。「あの男のたち、あんたの脇毛を見ていたよ。女子力低いよね」。
一気に酔いが覚めてしまいました。
トイレに行って脇を見ると、少しだけ伸びた脇毛が見えました。普段は気にならない程度なのに、このときは恥ずかしくて涙が出ました。絶対にエステに行って脱毛しなくっちゃと決心しました。
そして、時は流れてすでにおばちゃんの私は、今まで一度もエステも行かず、脱毛も気が向いた時だけです。
今でも、思い出すと恥ずかしいのですが、本当に懐かしい青春の日々です。
そういや海では彼氏にもやらかしています。
私は当時付き合っていた彼氏と、その友人達と一緒に海へ行きました。でもまさか、海に入るとは思っていなかったのです。
当時彼氏は海が大好きで、私もたまに一緒に行っていたのです。その時偶然、ムダ毛処理を忘れていたのです。それだけだったのです。それなのに私は思いっきり、水着姿になってしまったのです。
そしてその姿を、彼氏にも友人達にも見られてしまいました。特にひどかったすね毛を見られてしまったのです。まさか見られるなんて思いませんでした。
いつもは毎日自己処理をしています。でも前日には眠くて仕方がなくて寝てしまったのです。私の中では、もうムダ毛をした後だったのです。それなのに、私は水着姿になった時もしばらく気づく事ができなかったのです。
くるまで着替えて、車から出て彼氏たちのいる海辺へと走って行ったのです。ムダ毛の姿、そのままで走って行ったのです。
すると最初は笑顔だった彼氏が、なぜかこわばった顔をしています。そしてその友人達も同じでした。見てはいけないものを見てしまった、という感じでもあったのです。
自分でもその理由がわかった時、恥ずかしくて穴があったら入りたい気分になったのです。
そのまま車に戻って、一人で泣きました。そして彼氏とはその夜別れたのです。
という感じで、私は夏の海にロクな思い出がありません。